【レビュー】スマートフォン(iPhone、Android)でも気軽に高音質で楽しもう!黄猿好きが、iPhone 7 Plus(Spotify)と ONKYO rubato DP – S1 で「SIMGOT EM2」を試聴してみた。
- 2019/05/21
THE YELLOW MONKEY の 9th アルバムツアー「THE YELLOW MONKEY SUPER JAPAN TOUR 2019 GRATEFUL SPOONFUL」の「北海道 北海きたえーる」公演の興奮も冷めやらぬ Masahiro です。
今回は、日本国内での再展開を本格してきた SIMGOT JAPAN 様からレビュー試聴用にご提供いただいた「SIMGOT EM2」をレビューしていきたいと思います。
まずは、レビュー用にサンプルのご用意を行なっていただきました SIMGOT JAPAN 様に厚く御礼を申し上げます。
発売日は、2019年5月22日を予定しており、価格は、12,800円。取り扱いは、Amazon.co.jp になります。
1.総評
1.良いところ
- ・2種類のイヤーピースを楽曲やアーティストなどに合わせて変えることで好みのサウンドを楽しめます
- ・2 pin 0.78mm コネクター対応なのでリケーブルで楽しめる
- ・耳の小さい方などの多い女性などでもフィットしやすいハウジングサイズ
- ・無骨なインダストリアルデザインの印象の強いイヤフォンが多い中、アクセサリー感覚で楽しめそうなクリアシェル
- ・高級感のある付属の革ケースなど付属品に妥協を感じない
2.残念なところ
- ・楽曲によっては、イヤーピース次第でガラリと変わるので合わないと感じること。
- ・取り扱いが、Amazon.co.jp くらいのため、試聴機会などが得にくい
- ※ 特に札幌のような地方の中でも遠方になるため、大手メーカーもコストの関係もあり、イベントなどへの参加率が極端に下がります。認知してもらうための機会が得にくいのがもったいなないなと思います。
2.1DD(ダイナミックドライバー)+ Knowles 製 BA(バランスド・アーマチュア・アーマチュア)ドライバー x 1 のハイブリッドイヤフォン
ドライバー構成は、1DD(ダイナミックドライバー)に Knowles 製 BA(バランスド・アーマチュア)ドライバーを 1 基のせたハイブリッドタイプ。近年だとよく見かける様になって来た構成ですね。
ちなみに、これまで「春のヘッドフォン祭」や「ポータブルオーディオフェスティバル」などのイベントでは、同社の EM シリーズ「SIMGOT EM1」、「SIMGOT EM3」や「SIMGOT EM5」が参考展示されていました。その後の詳細は不明のままにはなりますが、日本では、SIMGOT EM2 の販売からの再スタートになります。今後、EM1、EM3、EM5 の登場はあるのでしょうか?
前回のレビュー時にご用意頂いた「EN700 PRO」は、1DD(ダイナミックドライバー)x 1 の聴きごたえのある低域と 2 pin 銀メッキ 6N 単結晶銅線の織りなす高域表現が印象的でした。特に DD(ダイナミックドライバー)x 1 でも高域表現が細かくシャッキリした感じの鳴り方をしたため、耳を疑いたくなるほどでした。ただし、iPhone 7 Plus などで音ゲーなどをプレイすると効果音が耳に刺さる時があるくらいな」ピーキーな暴れ馬でもありました。
※ 現在の「EN700 PRO」はケーブルが変更されているとのことでした。会場で試聴した際には高域がまろやかに聴きやすくなった印象を受けたことを覚えています。
3.女性の耳にもフィットしやすそうなコンパクトでシンプルなデザインのハウジング
カラーバリエーションは、グリーン、パープル、ピンク、クリア、ブラッククリアの 5色展開の様ですが、私の元に来たモデルのカラーはパープルでした。パープルといっても自己主張の強い感じではなくラベンダーの様な控えめなカラーで、ハウジングデザインにそっと華を添えるような印象があります。
非常に上品なデザインのハウジングは、男女問わずシンプルなかっこよさを持っていると思います。
実際に、カナル型インイヤータイプのイヤフォンが耳に合わないことが多い女性に軽く試聴してもらいましたが、装着感で好評を得ていました。また、ケーブルの擦れも気にならないとのことで好評でした。
ちなみに、SIMGOT おなじみのマグネット式の革ケースは健在です。
4.EN700 PRO と同様に 2種類のイヤーピースが付属
付属のイヤーピースは、「EN700 PRO」と同様に中高域を強調することでクリアなサウンドを意識した「Eartip I」と低域寄りの「Eartip II」の 2種類。3種類のサイズが付属しています。
※ 明確なサイズ表記がどこにも無かったので正しいのか分かりませんが、サイズは、S、M、L だと思われます。
従来までのように内径にレッド/ブルーのカラーではなく、筐体のデザインを意識したカラーになっているな感じました。
では、早速試聴してみましょう。
5.試聴環境
今回の試聴環境は、下記のような環境で試しています。
- ・iPhone 7 Plus(Spotify)+ Lightning – 3.5mm イヤフォンジャックアダプター + SIMGOT EM2
- ・ONKYO rubato DP S1 + SIMGOT EM2
基本的に iPhone 7 Plus(Spotify)構成での試聴環境の場合、ドンシャリ傾向の強いサウンドになっているので、Eartip I でも、かなり低域が出ているなと感じます。ただし、解像度が甘いためか ONKYO rubato DP S1 で試聴した時のような楽曲によって露骨に感じるような違和感を覚えなかったので、その日の耳の体調や気分などで気軽に使い分けて楽しめそうです。
イヤーチップを比較した感想では、ONKYO rubato DP – S1 を使用しています。音源は、Hi – Res(ハイレゾ)の FLAC、MQA、非圧縮の WAV を利用しました。rubato さん・・・Spotify 対応してくれませんかね?
こちらの環境の方が、イヤーチップによる試聴楽曲のサウンドの変化を感じ易いです。ぜひ、DAP(デジタル・オーディオ・プレイヤー)をお持ちの方などは試してみてください。普段、iPhone などのスマートフォンをメインで音楽を試聴されている方はポタアン(ポータブルヘッドフォンアンプ)を繋げて試聴してみると分かりやすくなるかもしれません。
1.EarTtip I:Powerful mid – high frequency.High resolution and penetration Crystal clear sound
EGOIST、LiSA、Roselia などの女性 Vo.(ヴォーカル)ものの中でもバンド編成にシンセサイザーなどの電子系が多用されている楽曲の場合、元々の音源の時点で低域が、かなり出るようにマスタリングされているためか、女性 Vo.(ヴォーカル)の声をキレイに届けてくれる Eartip I の方が相性が良いと思いました。あとは、疾走感のあるような感じのテンポの楽曲になると露骨に出るのかもしれません。
必ずしも女性 Vo.(ボーカル)ものだから Eartip I の方がいいというわけではありませんでした。
私の場合は、Eartip II で試聴しているときに Vo.(ボーカル)はキレイに聴こえるものの、低域が強調されすぎて、他の楽器隊の音のバランスがおかしくなるなというような感覚を覚えたため気づきました。
Jazz 系のサウンドも構成楽曲などによるとは思いますが、Eartip I の方が相性が良さそうです。この辺はウッドベースなどの低域の鳴り方などで好みが変わってきそうですね。
2.Eartip II:Enhanced bass and Superior listening comfort. Outstanding attention of ambient sibilance. Neutral and bass – driven sound.
一方の Eartip I では、内径が小さく少しだけ耳の奥に入るので THE YELLOW MONKEY のようにグルーヴ感のある Rock や Nickellback のようなストレートでガツンと来るような Hard Rock 構成の男性 Vo.(ボーカル)ものなどが映える印象です。ただし、こちらもある一定のテンポを超えてくると Eartip I の方が相性が良さそうです。
ちなみに、女性 Vo.(ボーカル)ものの中でも Aimer や ワルキューレ、西野カナの楽曲などは Eartip II でも比較的バランスよく聴こえるので、好みかなといったところでしょうか?また、Backnumber や Maroon 5 の高域の Vo.(ボーカル)ものは、Eartip I でも楽しめます。
全体を通して感じたのは、Eartip I の方がイヤフォンの特性をフラットに出してくれるのかなと思います。
このイヤーピースでいくつかのアーティストで試聴比較してみると、音の出方に顕著な差が出てくることが分かります。試聴機会などが確保できそうな方は、イヤーピースを変えて試聴してみることをオススメします。ブースなどでスタッフさんにお願いすれば快く用意してくれると思います。
ここまでハッキリとサウンドが変わると各社から販売されている互換性のあるイヤーチップを使って試聴比較してみたくなりますね。
6.丁寧なチューニングの施されたことを感じさせるサウンド
EN700 PRO の場合、キレのあるクッキリとしたサウンドを出したので高域のハイハットやスマートフォンの音ゲーの効果音などの音が耳に刺さると感じることがありましたが、SIMGOT EM 2 では輪郭がぼやけない程度に高域表現を活かしつつ、少し角を落として丸くさせた様な印象です。
特に変化を感じるのは中域が前に出て来る様になったことで全体的なバランスがフラット寄りになって来ている様に感じたことですね。中高域の表現力を BA(バランスド・アーマチュア)ドライバーで活かしつつ、DD(ダイナミックドライバー)の得意とする低域も変に強調させるようなことがなく沈み込むように自然に流れていて、全帯域を全般的にキレイに出してくれるているのでは無いかな?と思いました。付属のイヤーピースで調節することができるのでオールラウンダーに活躍してくれそうです。
音場は、普通かなといった印象。ただ、Eartip I の方が耳の奥に入るので狭く感じるものの迫力が増しますね。逆に Eartip II の方が少し浅めに入る分、クリアーで広めに感じます。この部分は、EN 700 PRO の方が金属筐体による反響などがある分、広がりを感じさせるホール感があると思います。
解像度は低域、中高域全般にわたってリスニング用途として気軽に音楽が楽しめるようにバランス良くチューニングされていると思います。むしろ、この価格帯に付属品なども加味して考えると、かなり丁寧な音造りを行なっているなと感じます。
7.0.78mm 2 pin 4芯銀メッキ混合ケーブルへ
「EN700 PRO」の 8芯銀メッキ 6N – OCC 導体ケーブルから 4芯の銀メッキ混合線になってます。「EN700 PRO」のケーブルが若干硬めで絡みやすいなと感じていたので、絡まるといったこともなく取り回しが良くなりました。
コネクターは、2 pin 0.78mm。ここは、「EN700 PRO」と同じになっているのでリケーブル自体にも対応しています。
8.総評
【価格帯満足度】:★★★★★
価格が 1万円代前半ということを考慮すれば、十分満足できる価格です。むしろ、付属品のケースなども含めれば安いくらいではないでしょうか?
【遮音性】:★★★★☆
さすがに、女性などの高く通り安い大きな声などは遮音できません(笑)また、飛行機のジェットエンジンの音などの爆音も同様ですね。ただ、曲間などを除けば視聴中に気になるような外音が入ってくるといったことは感じませんでした。
【高域】:★★★★★
EN 700 PRO のように若干、刺さる時があるような音が緩和され丸みのあるサウンドになったことで、耳疲れのしにくい程よいギリギリの高域を攻めているなという印象です。
【中音】:★★★★★
Vo.(ボーカル)などの中音域が前に出てくるので全体帯域がバランス良くなるようなチューニングになっています。
【低域】:★★★★☆
Eartip I だと、楽曲によっては低域が物足りないと感じる場合があります。ただ、Eartip II に変えることで、低域表現が豊かになりシンプルな構成のバンドサウンドのグルーブ感が楽しめるようになりました。
【細やかさ】:★★★☆☆
モニターライクな解像度を重視したサウンドではないためリスニング系としては十分な解像度を誇ると思います。また、こちらもイヤーピース次第で変わって来ます。
【迫力】:★★★☆☆
付属のイヤーピースだけでも楽曲次第で、迫力などがガラリと変わります。互換性のあるイヤーピースも試してみると気づくことがありそうです。
【音場】:★★★☆☆
【音漏体制】:検証中
SIMGOT EM2
- 価格:12,800円(税込)
- 型番;EM2
- カラー:半透明、黒半透明、グリーン、パープル、ピンク
- ドライバー:Knowles 製 BA(バランスド・アーマチュア)ドライバー x 1(RAF – 32873)+ 10mm DD(ダイナミックドライバー)x 1
- 振動膜:高分子复合チタン振動膜
- 再生周波数帯域:15Hz 〜 40,000Hz
- インピーダンス:10Ω
- 音圧感度誤差:≥ 101dB(@ 1,000Hz)
- 音圧感度誤差:
- 左右音圧感度誤差:
- 最大入力:15mW
- 装着方式:耳掛け式
- 対応コネクター:改良型 2 pin 0.78mm
- ケーブル:0.78 mm のダブル端子 4芯混合銀メッキコード
- ハイブリッドドライバー インナーイヤー型イヤフォン
- 加工:低共振 PC 材質、真鍮サウンドチューブ
- リケーブル可能改良型 2 pin 0.78mm、5軸加工アルミ合金
- 付属品:銀メッキケーブル、イヤーピース、革製収納バッグ
- 取扱説明書、VIP カード
2019年5月24日:製品写真を追加しました
関連リンク
- ・SIMGOT 公式サイト|プロのオーディオブランド:http://www.simgot.com/jp/products/detail/14.html#!/detail
- ・SIMGOT 公式サイト|プロのオーディオブランド:http://www.simgot.com/jp