Mac を使用していると気になるのがストレージの空き容量。過去の MacBook などであれば交換できるモデルもありますが、近年のモデルでは交換できないものも多く、手軽に空き容量を増やすなら外付け HDD を選ぶほうがいいでしょう。
1.内蔵 HDD の種類
Mac に内蔵されている HDD は主に2種類。MacBook Pro や Mac mini、現行の薄型 iMac などは 2.5 inch タイプの物が使用されています。一方、厚みのある 3.5 inch タイプの HDD は iMac や Mac Pro で搭載されています。
ガラスやアルミニウム素材など構成された磁気ディスク(プラッター)にデータを記録して、レコードの針のようなヘッドと呼ばれる部分でデータの読み取りなどを行う仕組みになっています。2.5 inch/3.5 inch というのは、この磁気ディスク(プラッター)の直径のことを指しています。また、この磁気ディスク(プラッター)の中にも回転速度の違いがあり、5,400 回転/分と7,200 回転/分の2種類の物が主流となっています。後者のほうが回転速度が早いこともあり、より高速にデータの読み取りが可能です。
一方、MacBook Air や MacBook Pro Retina ディスプレイモデルは、HDD ではなく SSD(Solid State Drive)を採用しています。SSD(Solid State Drive)は、フラッシュメモリーを記録媒体にしたもので、HDD と比較して読み書きが高速になっている上に、磁気ディスク(プラッター)やヘッドなどの駆動部分がないので衝撃に強いものとなっています。
ちなみに、MacBook Air や MacBook Pro Retina ディスプレイモデルに搭載されている SSD(Solid State Drive)は板状のものとなっています。ただし、1.8 inch/2.5 inch の HDD と同形状のものもあるので、既に持っている MacBook を SSD(Solid State Drive)に換装するといったことも可能です。
MacBook Pro と Mac mini には、厚さ 9.5mm で回転速度 5,400 回転/分の 2.5 inch HDD を搭載。
iMac や Mac Pro には、高速な 7,200 回転/分の 3.5 inch HDD を内蔵。
2.Mac で使用できる外付け HDD
Mac で使用可能な外付け HDD の接続方式には、モデルによってことなりますが、基本的に USB/FireWire/Thunderbolt の3種類であれば接続可能です。
1.USB
Windows 機でもお馴染みの USB は、USB 3.0/USB 2.0 とありますが、2012年の頃より前のモデルは USB 2.0 のみの対応なので、速度が USB 2.0 の速度になります。ちなみに、USB 3.0 と USB 2.0 の形状は同じですが USB 3.0 のコネクターの色は青色で区別できます。
2.FireWire
現行モデルでは廃止されている FireWire は、400 と 800 の規格が存在していますが近年のモデルであれば、ほぼ 800 のモデルを搭載しています。
3.Thunderbolt
近年のモデルでは標準搭載となった Thunderbolt。2013年のモデルからは Thunderbolt 2 搭載のモデルもリリースされており、USB 3.0 よりも2倍以上の速度でデータ転送が可能です。また、モニターやキャプチャー機器などの接続も可能です。
4.使用前にフォーマットに注意
外付け HDD を利用する際に注意したい点がフォーマット。フォーマット形式が HFS+ 以外のものだとファイル名の制限や OS X の機能がフルで使えないといった問題が出てきます。Mac 対応で販売されている HDD は、FAT32 や NTFS などの Windows 主流のフォーマット形式であることが多いので注意しましょう。
なお、使用前に HDD のフォーマットを HFS+ に変更しておくことをお勧めします。フォーマットの変更方法は、「アプリケーション>ユーティリティ>ディスクユーティリティ」を起動して、接続した HDD を選んで「フォーマット」欄を「Mac OS 拡張(ジャーナリング)」を選択、あとは「消去」ボタンをクリックするだけです。
※ 「ディスクユーティリティ」は、Mac に接続した HDD などのストレージを管理するアプリケーション。
3.外付け HDD を起動ディスクとして使用!
HDD には、フォーマットの他に「パーティションマップ方式」という統括する仕組みが搭載されています。特に OS X では、「GUID パーティションテーブル」、「Apple パーティションマップ」、「マスター・ブート・レコード」という3種類の方式から選ぶことができます。外付け HDD を起動ディスクとして使用したい場合、適切な「パーティションマップ方式」を選択しないと OS X の起動ができないので注意。
※ 「パーティションマップ方式」は、「ディスクユーティリティ>パーティション」タブにある「オプション」ボタンで変更可能です。Intel CPU を搭載した Mac は「GUID パーティションテーブル」にしないと起動ディスクとして使えないので注意。
4.パーティション分割
HDD は、ボリュームを複数のボリュームに仮想的に扱うことが可能です。分割した HDD は、Finder 上では別々のボリュームとして表示され、起動用とデータ保存用の部分として使い分けしたり、異なるバージョンの OS を入れて使用するといったことも可能です。
ちなみに、OS X Lion 以降は Finder に表示されていない「Recovery HD」という隠しボリュームが作成されており「option」キーを押しながら Mac を起動してみると確認が可能できます。
※ パーティションは、「ディスクユーティリティ>パーティション」タブで作成可能です。ただし、物理的には同じ HDD なので、データのバックアップ用として使うのは注意!
5.HDD の空き容量を増やす
内蔵の HDD やストレージ容量の少ないモデルの場合、データ容量が圧迫してくるのは必然ともいえる問題です。これらの問題を回避する手段の一つとして、iTunes や iPhoto のデータの移行があります。また、iMovie の動画を編集している人はプロジェクトやイベントを外付け HDD に移動させておくことも可能です。また、Safari のダウンロード先も環境設定で外付けに変更しておくことも可能です。
1.iTunes
iTunes のライブラリは「ミュージック>iTunes」フォルダー内に保存してあります。このフォルダーを外付け HDD にコピーして、「option」キーを押して iTunes を起動するとライブラリを選択できます。
2.iPhoto
iPhoto のライブラリは、「ピクチャ>iPhoto Library」に保存してあります。このファイルを外付け HDD にコピーし、「option」キーを押しながら iPhoto を起動してライブラリを選択するだけです。
3.iMovie
iMovie のプロジェクトは、ドラッグ & ドロップで外付け HDD へ移行可能です。イベントの移動は、「option」キーを押しながら、外付け HDD にドラッグ & ドロップするだけです。
関連リンク
- ストレージの違いについて①(HDD 編):http://pine-app1e.com/accessory/storage/ts-for-storage/strage-different-01/