Apple が「WWDC(WorldWide Developers Conference)2014」で、次期 iOS「iOS 8」を正式発表しました。
ちなみに、iOS ユーザーの 79% が最新の 「iOS 7」 へアップデートを行っているとのことです。一方、Android ユーザーは最新の KitKat を使用しているのが 9% ということで、ちょっと対照的な数字を出していました。
1.通知センター(Notification Center)
- ・デザイン刷新
- ・通知バーかメッセージを直接送信できるようになります。
通知センターは、より改良されておりインタラクティブな仕様に変更されます。しかも、通知が来てもアプリで対応する必要なく通知センター内で返信することができるようになります。よりユーザビリティの向上を図っています。さらに、ロックスクリーンでもカレンダーの通知が来るようになっており、操作も可能になります。
2.メール(Mail)
- ・メール作成時に作成画面をスワイプダウンすると他のメッセージの表示ができるようになります。
iTunes を見ている時などにメールの通知が来ても、iTunes アプリのままで返信や Facebook への Like ができるようになります。
例えば、iTunes を見ている時にメールの通知がきます。さらに、最近連絡を取った人をホームボタンのダブルクリックでまとめて表示ができるようになるなど細かな改善が行われます。ちなみに、デモでは食事の招待メールに対してメールアプリ内でカレンダーへ登録するといったことも行っています。また、メールを書いている途中で下へスワイプすれば、下書きを保存しながらメールの受信トレイや他のメールを同時にチェックできるようになります。
3.マルチタスク
- ・マルチタスキング画面でお気に入りの連絡先などへのアクセスができるようになります。
4.Spotlight
- ・Web 上の各種情報や映画の詳細などの様々なものが検索できるようになります。
「OS X Yosemite」と同じように、ニュース、レストラン、iTunes、ローカルなどのあらゆる検索に対応します。
5.QuickType
- ・ソフトウェアキーボードが新しくなります。
- ・もちろん、日本語対応。
- ・入力を学習して入力候補を表示できるようになります。
これまで、iOS の弱点の一つでもあったキーボードもユーザビリティを向上するために「QuickType」機能を搭載。これによって、ユーザーの好みを学んで、相手に応じて予想するワードを変更してくれます。これは、
6.メッセージ(Message)
- ・グループメッセージ機能搭載
- ・グループメッセージで位置情報や音声、動画メッセージなどの送信ができるようになります。
これも「OS X Yosemite」で搭載される機能と同様に iOS 間で電話を取るといったことが可能になります。例えば、iPhone の代わりに iPad で取るなんてことが可能になっちゃいますよ!
また、グループメッセージ間ではグループを退出できる機能が新たに追加されます。もちろん、音声やビデオメッセージを手軽に送ると言った事もできます。でも、邪魔されたくない時には「Do Not Disturb」ボタンで、グループ通知をオフにすることもできちゃいますので安心してください。メッセージアプリでマイクボタンを長押しすれば、音声録音や動画撮影といった機能の追加まで行われます。
ちなみに、これらの音声メッセージに対しても、「通知センター(Notification Center)」経由で聞いたり返信する事もできるので、わざわざメッセージ(Message)アプリへ行く必要性も無くなって利便性も向上されています。
7.iCloud Drive
新たに追加される新機能「iCloud Drive」では「OS X Yosemite」と同じように Mac 内にあるファイルへのアクセスもできるようになります。こういったかゆい所の改良と言うのは、結構大きかったりしますよね。
7.Health/HealthKit
- ・健康に関する情報を1つのアプリで管理できるようになります。
- ・サードパーティーアプリケーションとの連携もできます。
そして、Apple がヘルスケア関連に参入するといわれていた通り、追加されるのが「Health」アプリ。自分の健康状態をモニタリングするといったことも可能になり、病院と連携してユーザーの健康状態をチェックするといったこともできるみたいです。でも、この機能が日本へ来るには時間がかかりそうですね。
7.Family Sharing
- ・家族間での情報共有ができるようになります。
- ・写真やカレンダー、リマインダーなどの共有ができるようになります。
- ・子供がどこにいるのかを探す事ができるようになります。
- ・iTunes Store で購入した映画や音楽、本などの共有もできるようになります。
- ・最大6人までの家族の登録ができます。
- ・クレジットカード情報の共有ができるようになります。
そして、家族間の共有機能の追加が行われます。例えば、家族の誰かが購入した音楽や映画を家族間で楽しむなんてことができるようになります。また、同じクレジットカードを使って 6人までシェアするといったこともできるようになっちゃいます。とはいえ、子供が勝手に使えないように子供のリクエストに対して「許可」を求めるようにする事もできるので安心して利用も可能です。
7.写真(Picture)
- ・iCloud 内の写真を複数のデバイスで共有できるようになります。
- ・検索機能の改良(日時/アルバム名など)
- ・編集機能の改良
- ・5GB まで無料で利用できます。
- ・ストレージ容量は 20GB(月額 99¢)、200GB(月額 $3.99)、最大 1TB まで。
そして、フォトアプリには検索機能が追加されます。デモでは、フォトアプリ内のアルバム名から検索し、1枚の写真のレベルや明るさの編集といったことまで見せました。自動編集の機能だけでなく、細かなハイライトやシャドウなどを手動編集することもできるようになります。もちろん、iPad で編集した写真を iPhone で確認することもできるので安心して利用できます。しかも、このアプリケーションは iPad への対応も予定しているようです。
なお、iCloud の容量が変更されており 5GB までが無料で利用できます。あとは、20GB が 99¢/月、200GB が $3.99/月といったオプションもあり、最大 1TB まで増やす事が可能です。
8.Siri
- ・Shazam の昨日を搭載
- ・iTunes コンテンツの購入ができるようになります。
- ・ストリーミング音声認識機能を搭載。
- ・中国向けの機能の改善が行われます。
バッテリーの消耗が嫌がられて OFF にされてそうなことの多い Siri もアップグレードされます。今度は、ハンズフリーで Siri へお願いする事ができるようになるようです。「Hey Siri」と話しかけると切り替わるようですが、日本語だとどうなるんでしょうね?
また、Shazam との連携も行われるようになります。
9.App Store
- ・検索結果をスクロールできるようになります。
- ・トレンド検索機能の追加。
- ・エディターチョイス機能。
- ・複数のアプリをまとめて特価販売できるバンドル機能を搭載。
- ・アプリケーションのプレビュービデオが搭載可能になります。
App Store は検索機能を向上させ、トレンド検索ができるようになります。さらに、検索結果をスクロールして確認できるようになるので、よりユーザビリティが上がります。なお、「エディタチョイス」のアイコンを加えれば、多くのアプリ内から欲しいものを探しやすくするといったことも可能になるとのことです。ちなみに、今回からアプリをまとめて安く購入できるようになるディスカウント購入なんて仕様も増えちゃうみたいです。ここまでが、ユーザー側に取って気になる所と言った所でしょうか?
ここから先は、開発者などの興味のある方にしか関係の無い話になっています。多くの人は興味の無い話ですよね?
10.SDK(ソフトウェア開発キット)
- ・新しい API を 4,000 程度提供されるようになります。
- ・サードパーティーがウィジェットやアプリケーションの拡張機能の作成を行えるようになります。
- ・サードパーティー製キーボードの利用が可能になります。
- ・Touch ID がサードパーティー製アプリケーションでも利用できるようになります。
- ・家庭にある各ホームオートメーション機器との連携が可能になる「HomeKit」が追加されます。
- ・「CloudKit」が追加されます。
11.Xcode
- ・累計ダウンロード数が 1,400万回へ。
- ・新しいプログラミング言語「Swift」が利用できるようになります。
そして、開発者にとって最も喜んだニュースはこれかもしれません。これまで採用されて来た難解なプログラミング言語「Objective-C」から、より開発しやすい「Swift」へ移行するとのことです。「Objective-C」よりもシンプルにコードを書く事もできますし、「Swift」のような C 言語、「Objective-C」でも書く事はできます。「Swift」に関するプログラムマニュアルは iBook で配信されているので気になる方はダウンロードしてみてはいかがでしょうか?ただし、マニュアルは英語のみでの配布となります。
The Swift Programming Language
- 価格:無料
- 対応デバイス:iPhone、iPad、iPod touch、Mac
- カテゴリ:プログラミング
- 発行日:2014年6月2日
- 発行者:Apple Inc.
- 販売元:iTunes K.K.
- 長さ:500 ページ
- 言語:英語
- システム要件:iBooks 1.5 以降と iOS 4.4.3 以降を搭載した iOS デバイス
- iBooks 1.0 以降と OS X 10.9 Mavericks 以降を搭載した Mac
-
12.対応デバイス
iPhone | iPod touch | iPad | ||||||||
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対応デバイス | iPhone 4s | iPhone 5 | iPhone 5c | iPhone 5s | iPod touch(5th Generation) | iPad 2 | iPad with Retina Display | iPad Air | iPad mini | iPad mini with Retina Display |
対応デバイスは、iPhone 4s 以降の iPhone、iPod touch(5th Generation)、iPad 2 以降、iPad Air、iPad mini などが対象となります。今回の OS から iPhone 4 が対象外となったので現在も使用中の方は買い替えを検討するのも良いかもしれません。
「iOS 8」の β版の提供は、開発者向けに既に開始しています。一般向けの正式リリースは「OS X Yosemite」などと同じように今秋のリリース予定とのことです。なお、「iOS 8」の β版の利用には有償の Apple Developer 登録が必要となります。
新製品が発表されることなく終わった今年の「WWDC(WorldWide Developers Conference)2014」となり、寂しい気もしますが、年末にかけて新製品ラッシュとなるのでしょうか?でも、たまに2週間後くらいに別のイベントで製品発表するようなケースもあるので、上半期に何も無いとは断言ません。
関連リンク
- Apple – iOS 8 – Overview:http://www.apple.com/ios/ios8/
- Apple – OS X Yosemite – Overview:http://www.apple.com/osx/preview/
- Apple – Apple Events – Special Event June 2014:http://www.apple.com/apple-events/june-2014/
- WWDC – Apple Developer:https://developer.apple.com/wwdc/