Western Digital が、半導体メモリー大手 SanDisk を約 190億ドル(約 2兆2,800億円)で買収することで合意したことを発表しています。主に、スマートフォンなどに搭載されているフラッシュメモリーストレージ事業の強化が狙いと思われます。
1株あたりの買収額は、$86.50。こちらは、SanDisk の前日終値に 15% のプレミアムを上乗せする水準となっています。
近年、低価格の半導体に加えて、ネット接続できる機器に搭載する半導体需要への背景には業界再編が加速化。今回、Western Digital は、SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)市場での競争力を高めるには、SanDisk の NAND 型フラッシュメモリー技術が必要と判断。SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)は、クラウドコンピューティングやデータセンターの他に、スマートフォンや Laptop に使用されています。
なお、買収の完了には SanDisk とフラッシュメモリー工場に共同投資する東芝の同意も必要となるものの、すでに東芝が Western Digital による買収を支持しているとのこと。なお、この買収によって東芝は合弁事業の継続や自社の事業への悪影響がおよぶとは考えてないとのこと。
最終的な買収額は、中国政府系の清華ホールディングスの子会社による Western Digital への投資によって左右され、買収前に投資が完了すれば、1株当たり現金 $85.10、および Western Digital 株 0.0176株を支払います。一方、投資が完了せず、または打ち切りの場合、1株当たり現金 $67.50 と 0.2387株を支払うことになるとのこと。
米国と中国が経済スパイ問題対立する中で、買収計画は米中双方の当局から厳しい審査を受ける見込みとなっているものの、Western Digital は、買収完了後 1年以内に実質利益の押し上げ効果を見込んでいます。
米国株式市場では、Western Digital の株価が 0.3% 上昇。一方の SanDisk は一時 $78.50 まで買われたものの、買収提示額の $86.50 は下回っています。
関連リンク
- October 21, 2015 – Western Digital Announces Acquisition Of SanDisk:http://www.wdc.com/en/company/pressroom/releases/?release=e5f16023-3969-4cd0-bc3b-fe7e35572518
- 米ウエスタン・デジタル、サンディスクを 190億ドルで買収|Reuters:http://jp.reuters.com/article/2015/10/21/sandisk-m-a-western-digital-idJPKCN0SF1W020151021
- ウエスタンデジタルのハードディスクドライブ、ネットワークドライブ、メディアプレーヤー:http://www.wdc.com/jp/
- フラッシュメモリーカードで世界をリードするサンディスク:http://www.sandisk.co.jp