DELL が、2015年10月12日(米国時間)に、「Michael S. Dell, MSD Partners and Silver Lake Lead Transaction to Combine Dell and EMC, Creating Premier End-to-End Technology Company」で、VMWare の親会社でもある EMC を 670億ドルで買収することに合意したことを発表しています。
これによって、DELL はクラウド関連事業を強化する模様です。
なお、EMC の買収提案額は 1株当たり $33.15 となっており、DELL が現金で 1株当たり $24.05 を支払い、EMC 株主に対しては、EMC 傘下の仮想化技術ソフトウェアメーカー VMWare 株に連動した特別株を割り当てるとのことです。
また、EMC の取締役会が買収案を承認しているため、株主にも受け入れるように促すとのこと。また、この合意には、他の買い手候補が対抗案を提示できる 60日間の「ゴーショップ」条項も盛り込まれている模様です。
一方、EMC に 2.2% 出資するヘッジファンドのエリオット・マネジメントは、今回の合意を歓迎しており、EMC 株主に最善の結果と評価しています、ただし、株式市場の反応は鈍く、EMC は一時 2.5% 超上昇したものの、1.76% 高で引けたとのこと。また、VMWare は、8.11% 安となっています。
なお、VMWare の上場は維持することになるものの、FBR キャピタル・マーケッツのアナリスト、ダニエル・アイブス氏は、DELL 傘下での今後の見通しが不透明なことから、VMWare から有能な人材が流出し、同社の業績悪化につながる可能性を株主が懸念していることを指摘しています。
関係筋によれば、DELL は、2014年10月に EMC に接触しており、創業者のマイケル・デルが、2015年1月にダボスで開催された世界経済フォーラム(WEF)の年次総会で EMC のジョー・トゥッチ最高経営責任者(CEO)に面会。両者間の協議は、ここ 2か月間で加速したとのこと。なお、この買収手続きは 2016年5月から 2015年10月の間に完了する予定とのこと。
ちなみに、トゥッチ CEO は、Blog への投稿で EMC で築いてきた事業を非常に誇りに思うと同時に、変化や規模の必要であることを認識しているとしています。
関連リンク
- Michael S. Dell, MSD Partners and Silver Lake Lead Transaction to Combine Dell and EMC, Creating Premier End-to-End Technology Company|Dell:http://www.dell.com/learn/us/en/uscorp1/secure/2015-10-12-dell-emc-transaction?dgc=BA&cid=289667&lid=5555850&acd=12309214878294290&ven3=176302997737074294
- デルが EMC 買収で合意、IT 業界最大の8兆円 クラウド強化へ|Reuters:http://jp.reuters.com/article/2015/10/12/dell-emc-merger-idJPKCN0S61LD20151012