2018年12月15日(土)〜 2018年12月16日(日)に、ベルサール秋葉原で開催されたオーディオの祭典「ポータブルオーディオフェスティバル(PORTABLE AUDIO FESTIVAL) 2018 秋葉原」。
その会場で、Apple の「AirPods」のように左右が分離している「完全ワイヤレスイヤホン(True Wireless Earphones)」が、豊作といえるくらい大量に出展していました。特に今回は、デザインや機能等にこだわりのある製品が多く、見ていても楽しさがありました。
それでは、「完全ワイヤレスイヤホン(True Wireless Earphones)」達を紹介していきます。
1.個性豊かな「完全ワイヤレスイヤホン(True Wireless Earphones)」
今までは、「完全ワイヤレス(True Wireless)」の弱点である常時接続できる環境やバッテリーの駆動時間の課題がありましたが、内蔵チップの改良などによって徐々に解決していっている製品がたくさん出てきた印象です。
ドイツ:SENNHEISER MOMENTUM True Wireless
SENNHEISER 初の完全ワイヤレスイヤフォン(True Wireless Earphones)となる「SENNHEISER MOMENTUM True Wireless」。国内発売力後から完売ラッシュの人気の製品となっています。
タッチコントロールで、iOS(iPhone、iPad)/Android などのデバイスの音声アシスタント(Siri/Google アシスタント)を利用できます。その他、音楽再生や電話などの操作もできます。イヤフォンを装着したままでも会話や周りの音を聞くことができるヒアリング機能を搭載。
Bluetooth 5.0 で対応コーデックは、SBC、AAC、aptX、aptX LL まで対応。
ケースには、ファブリック素材を採用した高級感のあるものになっており、USB Type – C ケーブルで充電するため、USB Type – C ポートを搭載しています。
バッテリーは。本体は約 4時間再生で充電ケースで約 2回の充電が可能です。
Sennheiser Smart Control
音傾向は、SENNHEISER らしい「かまぼこ型」。低域の効いたロックサウンドを楽しむには少し物足りない印象でした。ただし、専用の「Sennheiser Smart Control」を利用すれば、ある程度は EQ をいじることができるので、EQ 次第で感想が変わるかもしれません。なお、「Sennheiser Smart Control」は、iOS(iPhone/iPad)/Android 対応。メニュー表示は日本語を含む 8ヶ国語に対応しています。
SENNHEISER MOMENTUM True Wireless
- 価格:約 34,992円(税込
- 型番:M3IETW BLACK
- フォームファクター:カナル型
- ドライバー:ダイナミック
- 周波数特性:5 ~ 21,000Hz
- 感度:107dB(1kHz/1mW)
- サイズ:幅 約 150mm
- 奥行 90mm
- 高さ 65mm
- 重量:約 285g
- ※ 本体重量 約 13.2g
- 保証:2年
- 付属品:USB チャージングケース、USB チャージングケーブル
- イヤーピース(XS、S、M、L)
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日本:オンキヨー & パイオニア(ONKYO & Pioneer)E8 truly wireless
Pioneer ブランドからは発表されたばかりの「E8 truly wireless」の国内初展示が行われていました。スリットのある「アンビエント・アウェアネス・イヤーチップ(外音取り込みチップ)」が付属しており、物理的に周囲の音が聞こえるようになっています。多くのメーカーがマイクを搭載して、外の音を拾う「Transparency Mode(トランスペアレンシー・モード)」機能を採用するタイプの製品が多い中で、珍しい製品と言えるかもしれません。
なお、ONKYO & Pioneer ブースのスタッフによると 2日間の間に試聴した方の中にはフィットネスジムのトレーナーの方もいたということで、物理的に聞こえる、この「アンビエント・アウェアネス・イヤーチップ(外音取り込みチップ)」は自然に外の音が取り込めるということで、不自然さが無く好感触だったそうです。
IPX5 対応ということで、噴流に対しての保護性能を考えると雨の日や暑い夏の日のスポーツシーンでの汗などくらいでは安心して利用できそうなモデルになっています。対応コーデックは、SBC と AAC になります。
価格は、1万円代半ばくらいを予定しており、バッテリー駆動時間は約 3時間、充電ケースで 2回分まで充電ができます。
NUARL
NUARL ブースには、2018年12月14日にはリリースしたばかりの Qualcomm 製の最新 Bluetooth® SoC「QCC3026」を搭載した完全ワイヤレスイヤフォン(True Wireless Earphone)を出展していました。
「NUARL NT01AX」では、左右間の接続に Qualcomm(クアルコム)の True Wireless Stereo 技術と MCA(Mutual Coupling Antenna)技術を併用することで高い接続安定性を実現し、従来の完全ワイヤレスイヤフォン(True Wireless Earphones)から飛躍的に音途切れに強くさせたという製品。
Bluetooth® 5.0 を搭載し、対応プロファイルは A2DO、HFP、HSP、AVRCP、対応コーデックには aptX、AAC、SBC までをサポートしています。なお、接続するデバイス側が aptX に体操していなくても最新の Qualcomm Kalima DSP を利用した音質チューニングによって、コーデックによる音質の低下を意識せず楽しめることも謳っています。また、電源を入れた際にバッテリー残量の多い方をマスターイヤフォンへと自動的に切り替え、バッテリーの片減りを防止するロールスワッピング機能を搭載していることもポイントの一つと言えるのではないでしょうか?
なお、ドライバーには炭素素材で構成されるグラフェン振動板をコーティングしたフルレンジダイナミック型シングルドライバーを搭載。クリアーな音質と広い音場感を再現する特許技術「HDSS®(HIGH DEFINITION SOUND STANDARD)」を採用することで、自然な音の広がりを再現しているとのこと。
イヤフォン本体にも「再生、停止、曲送り、曲戻し」などやボリューム調整、着信操作などの操作ボタンを搭載。また、高感度マイクはハンズフリー通話や音声入力にも対応しています。なお、音声通話時に左右のイヤフォン間で信号の遅延が発生せず両耳にフィードバックされるように「Voice in the Both Ears」機能を搭載しています。
また、既存の全 NT01 シリーズからのアップグレードサービスも展開しており、NUARL 公式サイトからの申し込みでユーザーの NT01 シリーズを「NUARL NT01AX」へと有償でアップグレードすることが可能。さらに、完全ワイヤレスイヤフォン(True Wireless Earphones)を利用する上で心配の種でもある片耳紛失時にも、片側のイヤフォンが残っていれば新品と有償交換可能な紛失サポートも提供されている点も見逃せないポイント。
IPX4 対応ということで、あらゆる方向からの飛沫による有害な影響を受けない程度のものとなります。
NUARL NT01AX
- 価格:約 19,440円
- カラー:BLACK GOLD
- ドライバー:φ 6mm グラフェン振動板ダイナミック型フルレンジ
- ※ HDSS 採用
- 再生周波数帯域:20 〜 20,000Hz
- マイク:全指向性(cVc ノイズキャンセリング搭載)
- Bluetooth®:Bluetooth® 5.0/Class 2
- プロファイル:A2DP、HFP、HSP、AVRCP
- 対応コーデック:SBC、AAC、aptX
- その他:IPX 4 相当の耐水性能
- 連続再生時間:約 10時間(SBC、AAC 再生時)
- 約 7時間(aptX 再生時)
- 連続通話時間:約 15時間
- 充電所要時間:約 1.5時間
- サイズ:本体 幅 約 26.0mm
- 奥行 約 28.2mm
- 高さ 約 25.2mm
- 充電ケース 幅 約 59.1mm
- 奥行 約 34.2mm
- 高さ 約 42.0mm
- 重量:本体 約 5g
- 充電ケース 約 35g
- 付属品:充電用ケース「NT CASE 2」
- イヤーピース(Fiting Type)(L/M/S)x 2
- Spinfit イヤーピース(CP360)(L/M/S 2
- イヤーループ(L/S)x 2
- ポーチ、ユーザーズガイド(日本語、英語、中国語)
- 保証:1年間
- ※ 片側紛失サポート付き
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NUARL NT100
「NUARL NT100」は、構造防水と耐汗フィルターの併用で「一時的(30分)の間に一定水深(1m)の条件に水没しても内部に浸水しない」とする IPX7 等級を誇る、極めて耐水性に強い製品と言えます。付属のイヤーフックで長時間利用しても疲れにくいように装着性を高めてあり、よりアクティビティー(スポーツなど)での利用に向いている製品だと思います。
SoC には、「QCC3001」を搭載することで、ノイズの少ない音楽再生を安定したワイヤレス接続を実現しているとのこと。ドライバーには、φ 6mm ダイナミック型フルレンジドライバーを搭載しています。デザイン面でも側面に凹凸加工を施すことで摘みやすくなっており、装着時にイヤフォンがコンパクトに見えるようにカラーも 2トーンになっています。さらに、音楽停止中や待ち受け中などに点滅して状態を知らせる動作表示 LED を搭載しています。
通話時には、ノイズキャンセリング機能を搭載したマイクをマスター側のイヤフォンに内蔵しています。また、左右それぞれに操作ボタンを搭載されており、左側のボタンには「音楽再生/停止、曲送り/曲戻し、着信応答、音声コマンド起動」などができ、右側のボタンでは音楽再生中の音量調整が可能です。
Bluetooth® 5.0 を搭載し、対応プロファイルは A2DP、HFP、HSP、AVRCP、対応コーデックは SBC、AAC をサポートしています。
こちらも紛失サポートが付帯しているので、購入から 1年以内であれば片側を紛失した際に、もう片側のイヤフォンが残っていれば有償で新品と交換ができます。
- 価格:約 10,369円(税込)
- カラー:BLACK、GREEN、WHITE
- ドライバー:φ 6mm ダイナミック型フルレンジ・シングル
- 再生周波数帯域:20 〜 20,000Hz
- マイク:全指向性(cVc ノイズキャンセリング搭載)
- Bluetooth®:Bluetooth® 5.0
- プロファイル:A2DP、HFP、HSP、AVRCP
- 対応コーデック:SBC、AAC
- その他:IPX 7(+ 耐汗)
- 連続再生時間:約 4時間
- ※ ケースとの組み合わせで約 28時間
- 連続通話時間:約 5時間
- 充電所要時間:約 1.5時間
- サイズ:本体 幅 約 25.1mm
- 奥行 約 17.0mm
- 高さ 約 26.8mm
- 充電ケース 幅 約 85.0mm
- 奥行 約 43.0mm
- 高さ 約 41.0mm
- 重量:本体 約 4g
- 充電ケース 約 60g
- 付属品:充電用ケース
- イヤーピース(L/M/S)
- ストラップ
- 充電用 USB ケーブル
- イヤーループ、ユーザーズガイド(日本語、英語、中国語)
- 保証:1年間
- ※ 片側紛失サポート付き
まとめ
高音質をワイヤレスで聞けるようにするワイヤレス技術「aptX」等を展開する Qualcomm(クアルコム)が、消費電力や接続の安定性をうたう技術「TrueWireless Stereo」(TWS)、「TrueWireless Stereo Plus」などの技術紹介もあり、「完全ワイヤレスイヤホン(True Wireless Earphones)」分野に積極的であるのがわかります。
特に近年、スマートフォン(iPhone、Android)やタブレット(iPad、Android Tablet)などからステレオミニジャックを廃止した製品が多く出回っているという影響もあり、オーディオ製品の急速なワイヤレス化を実感できるイベントでした。
※ 会場には、たくさんの Bluetooth® 製品が展示されているためペアリングを行う際に製品をさがすだけでも一苦労になってきています。ある意味、過酷なペアリング環境下ともいえるかもしれないので、製品の接続の安定性を体感できるチャンスかもしれませんね。なお、試聴体験後は次の方のためにも必ずペアリングを解除したうえでブースから離れましょう。・
- 2019年1月9日:NUARL ブースを追記しました
関連リンク
- ・Sennheiser MOMENTUM True Wireless:https://www.sennheiser.co.jp/momentum/
- ・ゼンハイザージャパン株式会社|SENNHEISER:https://www.sennheiser.co.jp/
- ・TrueConnect|完全ワイヤレスイヤホン – Bluetooth バージョン 5|RHA:https://www.rha-audio.com/jp/products/headphones/true-connect
- ・RHA インイヤー型ヘッドホンとオーディオ。:https://www.rha-audio.com/jp
- ・NT01AX|NUARL:https://nuarl.com/nt01ax/
- ・NT100|NUARL:https://nuarl.com/nt100/
- ・NUARL|NATURAL & NEUTRAL:https://nuarl.com/