Apple Special Event(March 9, 2015)で、発表された新しい MacBook。これまでの MacBook Air や MacBook Pro with Retina Display とも異なるコンセプトでリリースされたこともあり、物議を醸し出した製品とも言えたかもしれません。
1.最もコンパクトな Mac にフルサイズの体験
新しい MacBook は、最新のテクノロジーを搭載させセロベースから新設計されたフルサイズの Laptop です。MacBook Air よりも約 4mm 近く薄、最軽量の 0.92kg に仕上がっています。
2.はるかに薄いスペースにフルサイズキーボード
新しい MacBook では、快適なフルサイズのキーボードを搭載するためにキーボードの設計と構造を根本から変更しています。
1.再設計されたキーボード
これまでの製品の中でも遥かに薄い新しい MacBook ではフルサイズキーボードを組み込むために、キーボードを一から設計しています。根本的な構造はもちろん、各キー表面の湾曲、キー上の文字の特徴的な新しい書体まで、一つ一つの要素を新たに見直しています。新しいフルサイズキーボードでは、これまでよりも劇的に薄く仕上がりながらもキーを叩いても、安定した動きの沈み込みと跳ね返りを実現しており、正確なタイピングを実現しています。
2.バタフライ構造の新しいキーボード
従来のシザー(パンタグラフ)構造のキーボードは、2つのパーツが交差して組み合わされているので、キーの端がぐらつきやすく叩く位置が中心部を外れると、正確に入力できないといったデメリットがありました。
新しい MacBook では、キーの端を叩いたときにキー入力が認識される前にキーキャップが底にぶつかる可能性があり、キーのぐらつきを抑える必要性が出てきたため、新しく開発されたバタフライ構造の新しいキーボードを搭載しています。
バタフライ構造のキーボードは、従来よりも幅が広く、より硬い素材で構成されており、一組の部品だけで構成されています。これにより、一段と薄いスペースに収まる、より安定した反応の良いキーを実現しています。この革新的な設計は、ユーザーがキーを押す位置に関わらず、安定性、均一性、操作性を向上させています。
2.キーデザイン
新しい MacBook のためにデザインし直したキーボードは、より広い表面積とより薄い構造、より深い湾曲を持っています。指先が自然にキーを見つけ、押せるように、より明確な形になっています。従来よりも使用感が直感的なものとなっておりバタフライ構造のキーボードの組み合わせが、これまよりも優れたタイピング時の操作性を実現しています。
3.精密なバックライト
これまでキーボード全体に光を分配していた LED の列とライトがイドバネルを取り除き、それぞれのキーの下に個別の LED を搭載しています。これらの LED は、均一の明るさになるように調整され、キーキャップの周囲に漏れる光が最低限に抑えられ、一つ一つのキーと文字がクリアにくっきりと浮かび上がります。さらに、これまでよりもエネルギー効率が最大限に高くなるように設計されています。
2.300万 px を超える 12 inch Retina ディスプレイ
新しい MacBook を開いた瞬間から、画面の隅々までガラスになっている壮麗な 12 inch の Retina ディスプレイが、あらゆるものをくっきりと映し出します。わずか 0.88 mm の紙のような薄さのディスプレイからは、いきいきとしたディティールの写真や一つ一つの鮮明な文字が描き出されます。さらに、これまでの Mac の中でも最も電力効率化に優れた Retina ディスプレイです。
1.開口率を上げた高効率の Retina ディスプレイ
新しい MacBook は、12.1 inch、解像度は 2,304 × 1,440 px、広視野角の IPS 液晶パネルと白色 LED のサイドエッジ型バックライトを搭載しています。一般的に、IPS 方式の液晶パネルは、TN 方式と比較して同一面上での構成部品が多くなるため 1 px あたりの光を通す面積の比率である開口率が低くなります。これは、構成部品であるトランジスタやマトリックス配線、RGB のサブピクセルを分けるブラックマスク、px 内の電極などの光を遮る要素によるものです。
この開口率を上げるために、新しい MacBook では素材の見直しによるトランジスタの小型化、マトリックス配線をトランジスタに重ねたり、ブラックマスクをより細くすることなどによって、開口率を 30% 向上させています。
また、液晶パネルをハードガラスのカバーで覆う MacBook Pro with Retina Display とは異なり、新しい MacBook では、0.5 mm のハードガラス上に液晶パネルを形成し、その背面に導光板と反射板が取り付けられています。
これらにより、他の Mac の Laptop に搭載された Retina ディスプレイよりも 30% もエネルギー効率の高い LED バックライトを使えるようになっています。さらに、鮮明な明るさは同一レベルになっています。
3.感圧タッチトラックパッド
従来のトラックパッドでは押した際に手前側が沈み込むダイビングボード構造であったため、手前側が沈み込むためのスペースを必要としていました。新しい MacBook には、指先が加える圧力を検知する 4つの感圧センサーと指先に振動をフィードバックするタプティック・エンジン(Taptic Engine)を搭載しています。タッチするとリニアアクチュエータが高速に振動して「クリック感」を擬似的に再現しています。さらに、ユーザーの指が加えている圧力の強さを感知し、「強めのクリック(Force Click)」を行うと様々な新機能などが使えるようになっています。
※ Apple Watch で採用されたタプティック・エンジン(Taptic Engine) を Mac へフィードバックした形になります。
1.感圧タッチ
これまで、ユーザーの慣れ親しんだスクロール、スワイプ、ピンチ、回転などの直感的なマルチタッチジェスチャーに加えて、感圧タッチが新しい操作を実現しています。感度は、カスタマイズができ、クリックの認識に必要な圧力を調節したり、クリックした指が親指なのか他の指なのかなどまで感知し、感度のレベルを自動的に調整します。
- 強めのクリック(Force Click):トラックパッドをクリックして押し続けることで、単語の意味を調べたり、Finder でファイルをプレビューしたりなどの新しい機能が利用できます。また、E メールの文章中にある日付を強めにクリックすれば、カレンダーに新しいイベントの追加も可能です。
- 加速操作:トラックパッドに徐々に圧力を加えて、QuickTime ムービーの早送りの速度やマップ上の場所の拡大する速さを変更できます。
- 感圧スケッチ:軽く押して細い線、強めに押して太い線を描けます。メールの添付書類にコメントを加えたり、プレビューで書類に記入する署名を作成する時などに活用できます。
4.最小のロジックボードとファンレス構造を実現!
新しい MacBook は、最小限の消費電力でプロセッサーを利用できるように Intel Core M デュアルコアプロセッサーを採用しており、内蔵 GPU に Intel HD Graphics 5300 が搭載されています。これにより、これまでのような冷却ファンが不要となり音を立てることなく、可動パーツも駆動します。もちろん、一日中持続するバッテリーを組み込むスペースも広がっています。
1.Intel Core M プロセッサー搭載!
新しい MacBook には、第5世代(Broadwell)の Intel Core M デュアルコアプロセッサーが搭載されています。14 nm プロセステクノロジーによって設計されたチップは、密度を高めつつ、パフォーマンス効率を上げるために、一世代前のものより多くのトランジスタが組み込まれています。メールや Web サイト閲覧などには十分なパフォーマンスとエネルギー効率をもたらしています。
2.ファンレス構造
新しい MacBook は、ファンを使わない初めての Mac の Laptop です。第5世代(Broadwell)の Intel Core M デュアルコアプロセッサーの消費電力は、より少ない熱しか発生しない、わずか 5W のためファンやヒートパイプが必要ありません。その代わりに、ロジックボードを異方性グラファイトシートの上面に配置することで、発生した熱を側面へ放出しやすく設計してあります。さらに、タイマーコアレッシング、App Nap、Safari パワーセーバーなどの OS X の機能によって、一段と効率的になっており、あらゆるタスクを最適な電力量で処理してくれます。使用するパワーが多すぎたり、少なすぎたりといったこともありません。
3.ロジックボード
新しい MacBook のロジックボードは、これまでの Mac に搭載された中でも最も小さく高密度のものとなっています。11 inch の MacBook Air よりも約 67% 小さい、およそ 38 mm × 117 mm となっています。
4.ストレージとメモリ
新しい MacBook は、内部の部品を小型化しながら、毎日使うファイルやアプリケーションを保存し、動かすための驚異的な容量を備えています。電力効率に優れた 8GB の 1,600MHz LPDDR3 オンボードメモリと 256GB/512GB の PCIe ベースフラッシュストレージが組み合わさり、コンパクトでありながらもパフォーマンス効率の高い製品となっています。
5.一日中使えるバッテリー
新しい MacBook のバッテリーでは、従来のような長方形のバッテリーではなく、筐体内部の空間を最後の 1mm まで活用出来るデザインを持った薄いシート状の階層型リチウムイオンバッテリーを搭載しています。これにより、最大 9時間のインターネット閲覧などが可能となっています。
もちろん組み立てはハイスピードカメラでケースとバッテリー両方の精細な写真の撮影を行い、その写真を使って、それぞれの筐体の微細なばらつきを確認し、スペースを 1mm も無駄にしないように注意深くバッテリーが配置されています。
6.リバーシブルコネクタ USB – Type C ポート搭載!
新しい MacBook では、これまでのような周辺機器や電源ポートが廃止。USB パワーデリバリー(USBPD)対応のリバーシブルコネクタである USB – Type C ポートが 1つ搭載されています。この USB – Type C ポートで充電を行い、外付けデバイスや周辺機器への高速な USB 3.0 データ転送、HDMI、VGA、DisplayPort 接続などによるビデオ出力には別売りのアクセサリーを使用して行います。
※ USB – C VGA Multiport アダプタ/USB – C Digital AV Multiport アダプタなど
※ MacBook の USB – Type C ポートの転送速度は、最大 5Gbps となります。
6.初のフルメタルボディ
新しい MacBook では、従来樹脂製だったディスプレイのヒンジ部分までアルミ合金になった初のフルメタルボディを実現しています。これにより、Wi-Fi や Bluetooth アンテナは、ディスプレイのヒンジ部分からボディ底面に固定されています。
さらに、最新の IEEE 802.11 ac、IEEE 802.11 a/b/g/n や Bluetooth 4.0 ワイヤレステクノロジーに対応。インターネットへの接続、ファイルの転送、写真整理、音楽の視聴などもワイヤレステクノロジーに最適化された Apple のアプリケーションがケーブルなどに縛られることなくスムーズに行えます。
MacBook(Early, 2015)
OS | OS X 10.11 El Capitan | |
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カラー |
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型番 | MF855J/A | MF865J/A |
価格 | 148,800円(税込:160,704円) | 184,800円(税込:199,584円) |
ディスプレイ |
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解像度 |
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CPU |
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GPU |
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RAM | 8GB 1,600MHz LPDDR3 オンボードメモリ | ストレージ | 256GB PCIe ベースオンボードフラッシュストレージ | 512GB PCIe ベースオンボードフラッシュストレージ |
カメラ | 480p FaceTime カメラ | |
拡張性 |
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オーディオ | ||
キーボード |
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トラックパッド |
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ワイヤレス |
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サイズ |
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重量 | 0.92kg | |
バッテリーと電源 |
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電力条件と動作環境 |
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サポートとサービス |
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付属品 |
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関連リンク
- MacBook – Apple(日本):http://www.apple.com/jp/macbook/
- Apple のイベント – Special Event 2015年3月 – Apple(日本):http://www.apple.com/jp/apple-events/2015-mar-event/