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約1年ぶりのモデルチェンジとなったより進化した iPad Air 2 について見て行きましょう。iPad Air 2 は、「フルラミネーション」構造の Retina ディスプレイを搭載し、わずか 6.1mm の厚さと重さ 437g （Wi-Fi モデル）という薄型軽量化を実現させています。
また、CPU には新開発の「Apple A8X プロセッサー」と「M8 モーションコプロセッサ」を搭載させており大幅な処理能力強化に成功しています。さらに、iPad 史上初の指紋認証機能「Touch ID」や 800万画素と 120fps のスローモーション撮影に対応した背面カメラ、IEEE 802.11ac 対応が行われています。
本体カラーは、シルバー、スペースグレイと新たにゴールドが加わった全3種。ストレージ容量も iPhone 6 と同様の構成に変更されています。ただし、Wi-Fi モデルと Cellular モデルもあるため、これまでで最もバリエーションが豊富になっています。
一方で、従来の iPad Air も継続して販売が行われています。その代わりに iPad Retina ディスプレイモデル（4th Generation）の販売が終了しました。
1.液晶ディスプレイ
iPad Air 2 では、iPad Air よりも 18% 程度薄型化。これによって、厚さ 6.1mm という世界最薄となっています。これを実現したのが、液晶パネルの改良です。
従来のモデルまでは、タッチセンサと英気賞の間に薄い空気の層を入れる「エアボンディング方式」の液晶パネルでした。それを iPad Air 2 では、カバーガラスから液晶までを密着させる「フルラミネーション」化させた「ダイレクトボンディング方式」に変更させています。これによって、従来よりも液晶の厚みを減らしながら、「エアボンディング方式」よりもカバーガラス内部の光の反射も低減させるなどのメリットも出しています。
さらに、パネル表面に低反射コーティングを施すことで iPad Air よりも反射光を 56% 近く軽減させています。これによって、写真などの表示をより見やすく、太陽光が直接画面に差し込むような環境でも見やすくなっています。さらに、空気の層がない分、液晶の表示とユーザーがタッチした位置の差（視差）も減少するため操作性も向上しています。
ただし、この「フルラミネーション」は、張り合わせ時の部材に対するストレスや気泡混入のリスクも存在するため調達コストの上昇といったデメリットも存在します。この方式の液晶パネルを採用している製品が、iPad Air 2 と iMac with 5K Retina Display のみに限定されているのも、これが原因の一つと考えられます。
2.CPU と GPU
iPad Air 2 では、新たに「Apple A8X プロセッサー」を搭載しています。「Apple A8X プロセッサー」では、CPU の処理性能以上に描画性能をアップさせています。
「Apple A8X プロセッサー」は、iPhone 6 で搭載された Apple 製の第2世代 64bit SoC（システムオンチップ）の「Apple A8 プロセッサー」の発展型にあたります。特に、Apple 製品の中で初のコア数を 3基に増加されており、動作クロックを 1.4GHz から 1.5GHz に増速されています。これによって、iPad Air と比較して 1.4倍の性能になっています。
一方で、GPU は詳細は不明なものの iPhone 6 よりも液晶解像度が高いため、GPU よりも描画回路もより進化した並列化が進んでいると思われます。
いずれにせよ、iPad Air 2 の CPU 処理能力は 40%、GPU の描画能力は 2.5倍も高性能化させているとのこと。それでも、公称バッテリー駆動時間は、10時間から変化していません。むしろ、iPad Air よりも薄型化されている影響でバッテリー容量が 5.1Wh 減っています。これは、20nm プロセスで製造された「Apple A8X プロセッサー」の電力性能が非常に効率が良いことの証明と言えます。
ちなみに、iPad Air 2 に搭載されている「Apple A8X プロセッサー」は、「Apple A7 プロセッサー」のような黒色ではなく、表面は金属光沢があります。これは、チップの回路設計をシュリンクしたために
放熱用ヒートスプレッダで覆うことで放熱効率を上げています。
3.カメラ
iPad Air 2 では、これまで取り残されて来た iSight カメラを大幅に改善させています。これまでの 500万画素から 800万画素に強化。絞り値は F2.4 と据え置きではあるものの画素数が増えた分画像が精彩になっています。ただし、光学手ブレ補正機能は搭載されていないので、この違いは覚えておきましょう。
その他にも顔検出機能やノイズリダクション強化が行われています。さらに iPad 史上初の静止画撮影での「バーストモード」、動画撮影での 120fps「スローモーション」がサポートされています。もちろん、「タイムプラス」機能は iOS 8 の機能のためサポートされています。
これらの機能は、「Apple A8X プロセッサー」に内蔵される画像信号プロセッサを利用することで実装されています。
その一方で FaceTime カメラは 120万画素として据え置かれたままであるものの、センサーを一新しています。また、絞り値も F2.2 と従来よりも 81% 明るいレンズに変更されました。また、iSight カメラと同様に「Apple A8X プロセッサー」と連携して顔認識機能の強化やセルフィー（自撮り）のバーストモード撮影も可能になりました。
4.IEEE 802.11ac 対応
iPad Air 2 はワイヤレス面も強化されています。最新の IEEE 802.11ac への対応が行われ、これまでの通信速度最高 300Mbps（理論値）から最高 867Mbps（理論値）へと 3倍近い性能向上を行われています。
ただし、忘れては言けないのは IEEE 802.11ac に対応したからといって必ずしも通信速度が向上するとは限らないという点です。利用している建物の構造などの通信環境によっては IEEE 802.11ac を利用したことで、かえって速度が悪化する場合があります。これは、IEEE 802.11n が 2.4GHz と 5GHz のデュアルバンドであったのに大して IEEE 802.11ac が 5GHz のみしか利用できない点にあります。この 5GHz 帯の電波は 2.4GHz 帯のような遮蔽物への回り込みというのが苦手て浸透率が低いものだったりします。このため、部屋をまたいで通信するような場合は通信速度の減衰が激しくなります。この点を考慮すると利用環境によって、2.4GHz と 5GHz の電波の使い分けを行った方が無難と考えられます。
iPad Air 2
| iPad Air 2 | iPad Air | |||
|---|---|---|---|---|
| モデル | Wi-Fi | Wi-Fi + Cellular | Wi-Fi | Wi-Fi + Cellular |
| カラー | シルバー／ゴールド／スペースグレイ | シルバー／スペースグレイ | ||
| 容量 |
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| 価格 |
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| CPU | Apple A8X チップ & M8 モーションコプロセッサ | Apple A7 チップ & M7 モーションコプロセッサ | ||
| ディスプレイ |
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| 解像度 | 2,048 × 1,536 px（264ppi） | 2.048 × 1,536 px（264ppi） | ||
| iSight カメラ（背面） |
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| FaceTime カメラ（前面） | 1200万画素の写真と 720p の HD ビデオ撮影 | |||
| 携帯電話通信方式 | – |
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– |
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| ワイヤレス |
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| 通信事業車 | – |
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– |
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| センサ |
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| バッテリー駆動時間（最大時間） |
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| 高さ | 24cm | |||
| 幅 | 16.95cm | |||
| 奥行 | 0.61cm | |||
| 重量 | 437g | 444g | 469g | 478g |
| AppleCare + for iPad | 9,400円（税込：10,152円） | |||
※ iPad Air 2 の Cellur モデルの対応する LTE バンドは、iPad mini 3 よりも 6つ多くなっています。特にバンド 41 に対応しているので、SoftBank と au で利用する際に 2.5GHz の AXGP や WiMAX2+ にも接続できます。
関連リンク
- Apple（日本）- Apple Press Info – Apple、iPad Air 2 を発表 – これまでで最も薄く、最もパワフルな iPad：http://www.apple.com/jp/pr/library/2014/10/16Apple-Introduces-iPad-Air-2-The-Thinnest-Most-Powerful-iPad-Ever.html
